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役者大竹野さん(7/25)

今日は初七日。
そして、今日は役者としての大竹野さんについて書こうと思う。

私が初めて大竹野さんに会ったのは20年前で、その時彼は役者さんだった。
まちの芝居屋さん+犬の事ム所+桜企画の合同公演で、山崎哲の「パパは誘拐犯」だ。
1989年10月本番、私は制作として呼ばれ、初めて大きな公演にかかわる時だった。

大竹野さんの役はおばあちゃんで、漫画のようでもあり劇画のようでもあり、
実にインパクトのある何とも言えない独特の雰囲気を醸し出していた。
それから、舞台に立っている時と楽屋にいる時の違いに驚いたっけ。
ああ、役者さんてこういうものなんだなと勝手に納得していた。

その彼が作家であり演出家であり犬の事ム所の主宰であり、
けれど彼一人きりの状態である事を認識したのは、役者大竹野さんとの出会いの後なんである。

私はこの人の芝居にどうしてもかかわってみたくなった。
スペースゼロの古賀さんにもすすめられ、次の公演「Kのトランク」の制作をさせてもらい、
そのまま犬事ムに居座ってしまった。


犬事ムでは昔は主役も演じていたほどだが、演出が占める割合が大きくなると演出に専念しる方向に向かっていった。
けれど、他劇団やプロデュース公演にはしばしば呼ばれていた。
それほど魅力ある役者さんだったのだ。

けれど、いろんな事もやらかしている。

1992年の年末スペースゼロプロデュース「月光夜曲」に出演した時だ。
本番中に劇場入口のドア前に何人かの役者さんがスタンバイする必要があったのだが、
ある日いきなり客席の蛍光灯がつきだした。
見れはドア横の壁に付いている蛍光灯のスイッチに大竹野さんが思いっきり寄りかかっている。
「あ、ダメ!大竹野さん!寄りかかっちゃダメ!」
事の重大さに気付いた彼は慌てて消そうと闇雲にスイッチをいじる。
そしてついてない蛍光灯まで全部つけてしまった。

あーーーー・・・・・・・・・

それ以来ゼロの公演中にはドア横のスイッチを保護する小さなダンボール箱がかぶせられる事になった。

小道具を持ち忘れたり音のきっかけをとりにくかったり(私は犬事ム時代に音響もやっていた)、
困ったちゃんな面もあったけれど、
私が台本を書くようになってからからはその魅力溢れる役者さんに自分の本に出てもらうのが夢だった。
その夢が叶ったのは2004年3月の第1回大阪現代演劇際「四話の女偏」だった。

女性作家4人が書いて自分以外の作品を演出するというもので、
私の本はナカタアカネちゃんが、アカネちゃんは渡しの本を演出する事になった。
私は誰の本に当たってもよかったし、誰に演出される事になってもよかったんだけれど、
何となくそうなるんじゃないかと予感していた。
だからという訳じゃないけれど、書いている段階で失業した中年役は大竹野さんで見てみたいなあと思っていた。
アカネちゃんはそれを叶えてくれた。
一度は「声をかけたんだけど無理やったんですよぉ」という報告を聞いてガッカリしたけれど、
結局出てもらえる事になったのは我がことのように嬉しかった。

オムニバスのその公演の1本目はアカネ組、次が晴佳組だった。
ウチのチームに出ていた杉山がこう言っていた。
「大竹野さんな、1本目が終わってるもんだから俺らのラストシーンになると袖に来て毎回泣いてはんねんで」
そうなんや。
それは、通し稽古を初めて見たアカネちゃんが感激してくれたのと同じくらい嬉しかった。

4本目のラストあたりで、既に終わっている他のチームの役者さん達が黒い衣装を身にまとい舞台を覆いつくすコロスシーンがあった。
その中で誰よりも眼光強く押し迫ってゆく迫力溢れる大竹野さんの立ち姿が忘れられない。
何という役者さんなんだろう。
今度は私が書いて演出する芝居、あうん堂に是非出てもらいたい。
ずっとそう願っていた。

早速その年9月の「あなたもえくぼ」に声をかけたけれど、くじら企画の公演が近くて叶わなかった。
そしてやっとのことで実現したのが去年の公演だった。

「セリフが入らないよぉ~」なんて笑いながらも全力投球で稽古に挑む彼。
夫婦のラブラブシーンでははにかみながらも愛情たっぷりに演じてくれた。
ああ、これが役者大竹野正典なんだ。
出てもらえてホントによかった。

主宰杉山は終わった後の精算会でこう言った。
「出て頂いてホントによかったです。またあうん堂にお呼びしたいです」と。
「楽しかったわ。ありがとう」
それが役者大竹野さんとの最後になってしまった。

090725_1702~0001

これはギャラと言うにはあまりに少ないあうん堂からのお礼で買ったという登山用の腕時計。
とても嬉しそうに大切にしてくれていたとの事。
私も杉山も、役者大竹野さんをお呼びしてよかったと心から喜んだ。
お通夜とお葬式では小寿枝さんが腕につけていた。
これはどうやら良太のところにいくらしい。
どうか大切にしておくれ。
私達と役者大竹野正典をつなくかけがえのない品だから。
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